【スペシャル記事】by 坂西裕(M.マキノサイクルファクトリー)第4回「コラムの長さは適切に」

画像:フォークコラムの長さは適切に

自転車の快適・安全な走行は、正しい乗車ポジションと車体のセッティングから始まります!

ろんぐらいだぁすとーりーず!オフィシャルチームインストラクターの坂西裕さんによるスペシャル記事第4回は、「コラムの長さは適切に」。

車両設計のプロフェッショナルである坂西さんに、重要ながら見落とされがちなフォークコラムまわりのセッティングについてアドバイスしていただきます。

それではばんざいさん、よろしくお願いします!


フォークコラムの長さは適切に。

ろんぐらいだぁすとーりーず!オフィシャルチームインストラクターの坂西です。今回は、ろんぐらいだぁすとーりーず!オフィシャルチームで参加者の自転車チェックを行う際に気になることが多い、フォークコラムまわりのセッティングについて解説したいと思います。

安全性に直結するコラムセッティング。

オフィシャルチームではサービス内容を各インストラクターそれぞれの裁量に任されているので、具体的な対応はそれぞれ異なりますが、ポジションセッティング含めたライディングアドバイスを行っております。

ただし、現場ではどうにも、機材的に対応しきれない、あるいは危ないという事もあります。

特に安全性に関わるフォークコラム。

正しいセッティングを理解しよう。

「ヘッドベアリングからステムの下側までは40mm以内にセットせよ」という指定のフレームメーカーが多いと思います(それぞれのメーカー・代理店にご確認下さい)

ここで注意すべきは「ベアリングからステム下側」(画像水色の矢印)の距離であって、例えばヘッドパーツのトップキャップの高さが20mmあった場合、コラムスペーサー20mmでも合計40mmになるわけです。

コラムスペーサーをそれ以上に積んでステム位置を上げた場合、コラムのたわみ量が増え、剛性・強度を損ないます

適正量のスペーサーを使用しても更にハンドル位置を高くしたい場合、ステムを前上がりに取り付ける等で対応することをお勧めします。

カーボンコラムは特にご用心。

指定されてるのは下側の長さなんだから、上に残ってても関係ないだろ、と思われがちですが、実は上側に長く残す方がより危険です。

特にカーボンコラムの場合、ステムを固定するためにクランプする締め付けに対し、内側から支える為のプレッシャープラグを挿入するのですが、コラムを上側に長く残していると、肝心のクランプ部をプレッシャープラグが支えていない、という場合が多々見受けられます。

軽量化を狙ってか、短いプレッシャープラグを使用している場合はなおさらです。

現場で「目一杯ステム下げた方がいいな」と組み替えると、プレッシャープラグが内側から支えていない状態でステムを締め付ける危険な状態になる場合があるわけです。

剛性も下がりますのでフレームの性能もへったくれもありません。

加えて言うなら、ステムクランプ部より更に深く下までプレッシャープラグが入っていると、自転車を倒すなどしてハンドルが当たり、ステム下側のフォークコラム部に衝撃が加わっても、内側から支えてくれるのでダメージ軽減が期待出来ます。

もちろん剛性も上がります。

また、プレッシャープラグを使わないスチールやアルミコラムの場合でも、コラムが上に突き出しているとアクシデント時に胸を打ち付けそうだな、と見るからに危険なのは判ると思います。

つまり、「後でハンドル上げたくなるかもしれないから」とステム上側に過剰に長くコラムを残しても、どのみち使えないので潔くカットしましょう。

次回のお題は「コーナリング、ちゃんと出来てる?」

今回は、日々の自転車生活でも重要な車両セッティングのひとつについてお話ししました。イベント会場で対応できることには限りがあるので、日頃から正しいセッティングを心がけてください。

次回は、まっすぐ走って正しく曲がるという、自転車走行の基本に立ち返ってお話ししたいと思います。


坂西裕さん記事一覧
●【スペシャル記事】by 坂西裕(M.マキノサイクルファクトリー)第1回「自己紹介とキャラエンの心」
●【スペシャル記事】by 坂西裕(M.マキノサイクルファクトリー)第2回「サーキット走行の基本」
●【スペシャル記事】by 坂西裕(M.マキノサイクルファクトリー)第3回「安全かつ効率の良いオーバーテイク」
●【スペシャル記事】by 坂西裕(M.マキノサイクルファクトリー)第4回「コラムの長さは適切に」

■文:坂西裕(M.マキノサイクルファクトリー)
■有限会社 エム、マキノサイクルファクトリー
http://www.makino-cf.com

■第3回キャラクターエンデューロ2020
http://charaen.jp